ALC造ってなに?
建物の修繕をしていると、多くのお客さんから「ALC造ってなんなの?」というご質問をいただくことがあります。施工業者などにみてもらうと「この建物はALC造ですね」とさらっと言われることが多いみたいですがそもそもALCがわからないのにそんなことを言われてもと思いますよね。私もこの仕事を始めたての頃はALCという言葉で混乱した経験があります。
そもそもですが言葉の使い方としてALC造というのは間違っており、ALCは構造の名前ではなく壁材の名称なのでそこから理解を始めるのが早いと思います。
ALCとは
ALCとはそもそもAutoclaved Light weight aerated Concreteの頭文字をとったもので、「高温で発泡加工した軽量のコンクリート」という意味になり、専門知識がある人は「軽量気泡コンクリート」と呼ぶことが多いです。これを金属網(ラス網)と呼ばれるものよって補強したものがALCパネルとなり建物の外壁として使われています。
ヘーベルボードという言葉聞いたことがある人もいると思いますが、こちらもALCボードの一種です。ヘーベルボードとは旭化成ホームズが売り出しているヘーベルハウスに採用されているALCボードのことで、一般戸建住宅で使われるALCボードの比率が高いためALCボードの代名詞としてヘーベルボードと呼ばれることがあります。
建物外観でいうとこういうものです。
この長方形の1枚1枚がALCボードで、ボードの隙間に溝がみられます。
*補修より溝が埋まっているものもあります。
結局ALCは何造なの?
一般的にALC造と言われているものは「鉄骨造」であることがほとんどで、壁体にALCボードが使われているものをさします。ALCボードが構造躯体になっているわけではないのですが、差別化としてALC造といっているケースが多いように感じます。鉄骨造の壁体として用いられるものはALCの他に「プレキャストコンクリート(工場で生成されたコンクリート板)」や「押出形成セメント」が使われますが、ALCが手軽で性能も高く、コストも抑えることができるため主流の壁材となっています。
稀に木造でもALCボードが使われることもあります。
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